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そばにまつわる昔話

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●信濃の民話~ソバの茎はなぜ赤い

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでおりました。
ある朝、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが洗濯をしていると、川の上の方から大きな重箱がどんぶりこ、どんぶりこと流れてきます。そこでその重箱を拾い上げてみると、中に大きな瓜が入っていました。
おばあさんが早速瓜を持ち帰って包丁で切ろうとしますと、瓜は勝手にパカッと二つに割れて、中からそれはそれはかわいらしい女の子が生まれました。
子どものなかったおじいさんとおばあさんは大喜び。女の子は「瓜姫」と名づけられ、大事に大事に育てられました。

時が流れ、美しく成長した瓜姫は、おばあさんに教えられて、大層上手に機(はた)を織れるようになりました。そんなわけで、家からは毎日のようにトンカラリ、トンカラリと瓜姫の機織りの音が聞こえてくるのでした。
美しくて働き者の瓜姫のこと、年頃になると、すぐに嫁入りの話が決まりました。そこでおじいさんとおばあさんは、嫁入りの準備のためと、町へ買い物に行くことにしたのです。
「人さらいにあったら大変だ。だれが来ても、絶対に扉は開けてはいけないよ」
2人は瓜姫に念を押して、出かけていきました。

瓜姫が機を織っていると、アマノジャクという意地の悪い娘がやってきて、「中に入れろ」と騒ぎ立てました。最初は渋る瓜姫ですが、アマノジャクは巧妙に瓜姫をだまし、最初は手だけ、足だけと言いながら、とうとう中に入りこみました。
アマノジャクは瓜姫を裏の梨の木のところまで連れ出すと、無理やり自分のボロボロの着物と瓜姫の着物を取り替えて、瓜姫を梨の木の上に縛り付けてしまいます。瓜姫になりすましたアマノジャクは、家に入ると、そしらぬ顔をして機を織り続けました。

家に帰ってきたおじいさんとおばあさんは、もちろんそんなことは知りません。瓜姫を嫁入りさせようと、瓜姫になりすましたアマノジャクを馬に乗せて家を出ました。家を出てゆく3人の様子を見た、梨の木の上に縛られている瓜姫は、泣きながら大声で、
「わたしの乗るはずの馬に、アマノジャクが乗っている!」
と叫びました。
その声を聞いたおじいさんとおばあさんは、やっと瓜姫に気がつき、アマノジャクを馬から叩き落して殺してしまいました。

アマノジャクの死体はソバ畑に埋められたので、ソバの茎はアマノジャクの血で赤く染まりました。
このときから、ソバの茎は赤くなったのです。

(※上記は信州に伝わる民話ですが、地方によっては、アマノジャクの血で赤く染まった植物がキビだったりススキだったりクリだったりします。また瓜姫が殺されたと伝えられる地方も多いですね)




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