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そばの健康効果
「そばは五臓の汚れたカスを洗い流して精と神をつなぐ。その葉を煮て野菜として食することもできる」(日本最古の医学書「医心方」)
そばの主成分は、他の穀類と同様にデンプンですが、その他にもたんぱく質や各種ビタミン、ミネラルなど、健康を維持するのに必要な成分を豊富に含んでいます。
(1)生活習慣病を防ぐルチンやカテキンを含む
ルチンやカテキンはポリフェノールの一種です。
ポリフェノールには抗酸化作用があり、毛細血管の強化・保護・血流の改善・糖尿病、動脈硬化、脳梗塞などの生活習慣病の予防に効果を表します。
ルチンは別名をビタミンPといい、上記の基本性質の他に、血圧降下、脳細胞の活性化作用、疲労回復、膵臓機能の活性化、記憶力の強化などの効果があります。一方カテキンには、O157やインフルエンザのウイルスを殺す力があることが知られています。
特にルチンは、ざるそば一枚で生活習慣病の予防に有効と思われる1日の摂取量が摂れるので、毎日一食はそばを食べたいものです。
(2)コリンが肝臓を守る
そばが飲酒の害を少なくすることは古くから知られていますが、その理由はそばに含まれるコリンにあるといわれています。
コリンはビタミンの一種で、肝臓を保護し、アルコールを飲む際に肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きがあるので、脂肪肝・肝硬変・動脈硬化の予防してくれます。昔の人の、飲酒後にそばを食べる習慣は、実に理にかなったことといえます。
また、尿中に食塩の排出を促進する働きもあるので、塩分の摂りすぎによる高血圧の予防にも効果的。
さらに副交感神経の刺激に不可欠で、自律神経の故障に効果的なアセチルコリンを作る原料にもなるので、自律神経失調症の予防にも。
(3)食物繊維があらゆる食品の中で最多
人間が1日に必要とする食物繊維は20~25g。これが17g以下になると、大腸ガンの発生率が非常に高くなります。
そばは一枚につき約4gの食物繊維が含まれていますが、これは一回の食事で取れる食物繊維の量としては、あらゆる食品の中で最も多いものです。
食物繊維は便秘の予防や解消にも効果があります。
(4)抗酸化作用のあるビタミンEを多く含む
そばには「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEが、穀類としては比較的多く含まれています。
老化は細胞が酸化することによって起きると考えられていますので、この酸化を阻止する抗酸化作用を持つビタミンEを摂取することは、老化の防止になるのです。
(5)ビタミンB1、B2が豊富
デンプンが分解されると糖になりますが、これがエネルギーとなるにはビタミンB1、B2が必要です。また、ビタミンB1が不足すると、乳酸ができて疲れを感じ、さらには脚気などの病気につながります。
そばは、米や小麦と比べると、ビタミンB1、B2が比較的多く含まれています。
もっとも、そばの含有量だけでは十分ではないので、野菜や海苔と一緒に食べるといいでしょう。
(6)その他のビタミン
そばは、ビタミンB群やビタミンEの他にも、健康を維持するために必要なビタミンが数多く含まれています。
白米100gに0.7mg、同量のそばに2.6mgと、白米の約4倍の量が含まれているパントテン酸というビタミンは、ホルモンの合成や疲労回復、そして炎症を和らげるという働きがあります。また、胃痛や頭痛、胃潰瘍、ガン、脳出血などの予防や免疫力の向上にも効果的。
血管の壁を強化し、過度の飲酒による胃壁の荒れを防ぐ働きがあるナイアシンは、ビタミンB1、B2と同じく、糖をエネルギーに変える働きもあります。また、皮膚の活性化にも一役買います。
他にも、動脈硬化を防ぐリノール酸などが含まれています。これは必須脂肪酸で、血管にコレステロールがたまるのを防ぎ、血中コレステロール値や中性脂肪値を下げる作用があります。
(7)良質のたんぱく質を多く含む
そばに含まれるたんぱく質は、乾そば100gあたり13.6g。これは同量の精白米(6.8g)やうどん(8.9g)と比べても、かなり多く、これは穀類の中ではトップです。
それだけでなく、その質も米や小麦のそれに比べると格段に良質です。たんぱく質が分解してできるアミノ酸は20種類で、そのうち人体に必要な必須アミノ酸は8種類(発育期は10種類)といわれています。しかし穀類の場合、必須アミノ酸の一つ、リジンの含有量が少ないため、利用できるたんぱく質は、米で76%、小麦で46%しかありません。ところがそばの場合はリジンが豊富なので、たんぱく質の利用度も90%にまで及ぶのです。
また、動物性食品に多く植物性食品には少ないアミノ酸のトリプトファンも、そばには例外的に多く含まれています。
この他にも、強肝作用のあるメチオニン、基礎体力を整えるスレオニン、シスチンなどがバランスよく含まれています。
(8)消化・吸収の良いそばのデンプン
穀類の主要な栄養分はデンプンですが、そばのデンプンは特にジアスターゼ(デンプンを糖に変える消化酵素)による消化が早く、体内で速やかに糖に分解されてエネルギー源になります。また、水に溶けやすいという性質もあるので、お腹一杯食べても胃にもたれません。
(9)ダイエットに効果的
100gあたりのカロリーは、そばで約360kcal、白米340kcal、食パンで260kcalです(※別のソースでも確認)。よって、どれも同じ重さを食べる分には、カロリーにさほど違いはありません。
しかし、ご飯やパンは、栄養成分の組成バランスがあまり良くなく、単体で食べると栄養的にかなり偏ってしまうので、一緒にいろいろなものを食べる必要があります。
ところがそばは、白米や小麦粉に比べてタンパク質含有量が多いだけでなく、アミノ酸スコア(※これも他のソースでも確認)が非常に高く、しかもミネラル・ビタミンも程良く含んだ栄養バランスの良い食品でなので、主食とおかずの組み合わせを基本とする他の食事パターンと比較した場合、結果的にはそばを主食とした食事の方がカロリーが低くて済みます。
(10)ACE(エース)阻害物質が高血圧に効く
「ACE阻害物質」は、「アンジオテンシンI変換酵素阻害物質」の略で、この物質は血圧を下げる働きをします。
そばに含まれる栄養分は、ゆでたときに湯に溶け出すものが多いのですが、このACE阻害物質は湯に溶けにくい性質があります。
(11)ミネラルも豊富
ミネラルの含有量も、そばは他の穀類に比べて格段に多いです。たんぱく質をつくるために必要な亜鉛、心臓や筋肉の機能を整え血圧を下げるカリウム、その他にもリンやマグネシウムなどが含まれています。
(12)消化を促進させる酵素を含む
そばにはアミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、リポオキシゲナーゼなどの酵素が含まれており、これらがたんぱく質や脂肪を分解し、消化を助けてくれます。
ただし、この酵素のために、そば粉自体が変質しやすいので、そば粉は早めに使い切るようにしたいものです。
参考文献
「そば 至宝の伝統食②」(アスペクト編/アスペクト)
「不老長寿のダッタン蕎麦」(片山虎之介/小学館)
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